糖尿病患者と主食

糖尿病の治療法の3本の柱は食事療法・運動療法・薬物療法です。

そして、この3本の柱のうち、もっとも重要なのが食事療法です。

糖尿病とは血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気ですので、

高くなったブドウ糖の濃度を下げるためには体内に入って来るブドウ糖の量を減らす事を真っ先に考えなければならないという観点からすれば、

おのずと食事療法の重要さが見えて来ます。

「糖尿病の食事療法はきつい」というイメージがありますが、現実にはそれほど厳しいものではなく、

その人の標準体重を維持出来るだけのカロリーを1日3回均等に規則正しく栄養のバランス良く食べるというものです。

…そうは言うものの、美味しいものをたくさん食べるのが大好きな人が、糖尿病にかかってから日々の食事の量を減らして悲しそうにそれを食べている様子を見ていると、

「糖尿病の食事療法ってつらいんだな」と感じるのは当然ではないでしょうか?

そのような「つらそうな」イメージのある糖尿病の食事療法ですが、最近では「主食を抜いた方が糖尿病には良い」とも言われています。

それは本当でしょうか?

主食とは、ご飯(ライス)・パンがそれに該当します。

ご飯とパンは炭水化物を多く含んでいる食品です。

炭水化物とはヒトの体内に入ると、消化されてブドウ糖になります。

当たり前ですが、主食、つまり炭水化物の摂取量を減らせば、体内に入って来るブドウ糖の量も減ります。

糖尿病の治療を端的に言えば「血液中のブドウ糖の濃度(=血糖値)を低くする」という事ですから、

主食を抜いて炭水化物の量を減らす事は糖尿病の患者さんのためには良いように思えます。

しかし、ブドウ糖とは脳や筋肉を動かすために大切な栄養なのです。

糖尿病の治療法の3本柱の一つである薬物療法を受けている患者さんが、

糖尿病の治療として使用している血糖降下剤やインスリン注射が効き過ぎて低血糖状態になり、低血糖発作が起こして危険な状態になる事があります。

つまり、ブドウ糖は少な過ぎても身体のために良くないのです。ですから、全く炭水化物を摂取しないのも問題があります。

以前炭水化物の摂取量を減らす事によって体重を減らす低炭水化物ダイエットというダイエット法がありましたが、最近ではあまり聞かなくなった理由とは、

炭水化物を摂らなさ過ぎるのも問題があるからではないかと筆者は考えています。

そして、最近では糖尿病の食事療法についても低炭水化物食が主流になりつつあるように筆者には思えますが、

その低炭水化物食を推奨している方々も、あくまでも「低」炭水化物食であって全く炭水化物を摂らない方法を推奨しているわけではありません。

ある低炭水化物食を推奨されている医師のお話によると、低炭水化物食と言っても、1日当たりにしておよそ120gの炭水化物を摂取するとの事です。

繰り返しますが、炭水化物、つまり体内でブドウ糖に変わる栄養素を全く摂取しないのも身体にとっては害があるのです。

糖尿病の治療法とは一つではなく、患者さん一人一人に合わせた方法があるのではないでしょうか?

主食を抜いて炭水化物の量を減らす方法が合っている方もいれば合わない方もいらっしゃると考えられますので、低炭水化物食をやってみたい方は担当医と相談されてはいかがでしょうか?

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