糖尿病食事療法

何故糖尿病の食事療法が重要視されるのか?

糖尿病の治療の3本の柱は食事療法と運動療法、そして薬物療法です。

その中でも最も重要なのが、食事療法です。

何故糖尿病の治療の中で食事療法が最も重要なのかを説明しようとすれば、糖尿病とはどういう病気なのかを先に説明する必要があります。

糖尿病とは単に尿に糖分(詳しく言うとブドウ糖)が検出される病気ではありません。

脳や筋肉を動かすために必要なエネルギー源であるブドウ糖が脳や筋肉を動かすためのエネルギー源として正しく使われないために血液中に余ってしまい、その結果、身体にとって疲れやすい・多飲多尿などの不都合な症状が現われる病気が糖尿病と呼ばれる病気なのです。

ヒトの身体には、血液中のブドウ糖の濃度(=血糖値)が高くなると、すい臓からインスリンというホルモンを分泌してその濃度を下げようとするシステムが備わっています。

しかし、インスリンが何らかの原因で分泌されない、あるいは分泌される量が少なくなると、血液中のブドウ糖の濃度は高いままになってしまいます。これが糖尿病と呼ばれる状態です。

(症状から考えると「糖尿病」と言うよりはむしろ「高血糖症」と言った方がわかりやすいのではないかと筆者は考えます)

つまり、糖尿病の治療とは、高血糖状態を解消する事にあると言い切っても過言ではありません。そして、高血糖状態を解消するのには、体内に入って来るブドウ糖の量を減らす事をまず考えなければならないのは言うまでもありません。

インスリンとは血糖値を下げるだけではなく、肝臓でブドウ糖をグリコーゲンという物質に変えるためにも必要ですし、脂肪の分解や合成にもインスリンが必要なホルモンです。

そのため、食べる量が多ければ多いほど、たくさんの量のインスリンが必要になります。

すると、多量のインスリンを分泌しようとして、インスリンを作り出す臓器であるすい臓 に多くの負担がかかります。

さらに、過食が続けば肥満の原因になり、それがインスリン不足になり、インスリンの血糖値を下げる働きも低下します。

これら二つの要因が重なり、インスリンがブドウ糖の濃度を下げる働きが低下すると、高血糖状態がずっと続くのです。

そして、この悪循環を断ち切るためには、日々の食事を見直す必要があるので、糖尿病の治療法の中で最も重要なのは食事療法だというわけです。

何故糖尿病の食事療法は難しいのか?

「糖尿病の食事療法」と言えばかなり厳しいカロリーコントロールが必要なように思えますが、現実には一般の人が考える程には厳しいものではありません。

糖尿病の食事療法を一言で説明すれば、「標準体重を維持出来る量のカロリーを一日3回均等に分けて、規則正しく食事をするというもの」です。特に食べてはいけないという食品もありません。

(アルコールなど、摂取は控えめにした方が良いとされるものはありますが)

朝昼夕の3回の食事のうち、どれか一つを少なく摂ると、どこかで多く食べてしまいますので、カロリーは均等に摂る必要があります。

また、カロリーさえ適正に摂れば良いというわけではなく、栄養のバランス良く食事を摂る事が大切です。

しかし、「糖尿病の食事療法は大変だ」というイメージがつきまとっているのも事実です。

何故、「糖尿病の食事療法は大変」なのかと言えば、栄養のバランスを考えながらカロリーを適正に抑えなければならないというところに難しさがあるのではないかと考えられます。

カロリーの高い食品、たとえば脂っこい食事などを好んで毎日のように食べていた方が、適正なカロリーに抑えた、いわば「ヘルシーな食事」に切り替えると、物足りなく感じるのではないでしょうか?

余談ですが、世間で言われる「糖尿病食」というものは、適正なカロリー量で栄養のバランスも取れた食事の事であって、特別な食事の事ではないとの事です。

慣れるまではつらいかと思われますが、糖尿病の食事療法を続けるうちに血液中のコレステロールや脂質の量も適正になると言われています。

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