糖尿病の食事療法とカロリー

糖尿病あるいは糖尿病予備軍と診断されたら、糖尿病予備軍の方は糖尿病に移行しないように、糖尿病の方は糖尿病の合併症が現われないように治療をしなければなりません。

糖尿病の治療法を大きく分けると、食事療法・運動療法・薬物療法の3種類に分ける事が出来ます。

(インスリン注射によるインスリン療法は薬物療法の中に含まれます)

その中でも一番重視されるのが食事療法です。

糖尿病の食事療法とは、標準体重を維持出来るカロリーを1日3回に均等に分けて摂取するというものです。

最近では体内で消化されて糖分になる炭水化物の摂取を抑えた低炭水化物食も糖尿病の治療に取り入れているところもあります。

つまり、糖尿病の患者さんの食事とは、一般的に「低カロリーな食事」と言えるかと思われます。

しかし、このような努力をしても、糖尿病が悪化して糖尿病の合併症が現われてしまう事もあります。

糖尿病の合併症の中でも、糖尿病性腎症を発症した場合は、食事療法のやり方を変える必要が出て来ます。

すでにお話したとおり、糖尿病の食事療法では、一般的な方法であれ低炭水化物食であれ、カロリーの摂り過ぎに気を付けるという共通点がありました。

しかし、糖尿病性腎症を発症すると、今までの糖尿病の食事療法にプラスして、糖尿病の食事療法ではあまり気にする事のなかったタンパク質と塩分にも制限を加える事になります。

何故糖尿病性腎症を発症するとタンパク質と塩分を制限しなければならないのか、その理由は腎臓という臓器の働きにあります。

腎臓は血液中にたまった老廃物を体外に排出し、身体に必要なものは体内に戻すという、いわば「フィルター」のような役目をしています。

つまりは老廃物が多くなればなるほど腎臓に負担がかかるわけです。

老廃物を減らすにはどうすればいいのかというところに、タンパク質の制限が関わって来ます。

タンパク質の摂取量が多くなれば老廃物が増え、それを処理する腎臓に負担がかかるので、その摂取量の制限を設けなければならないというわけです。

そして、皆様もよくご存じのとおり、塩分の過剰摂取は高血圧を招きます。

高血圧も腎臓の機能を低下させますので、腎臓にとっては敵です。

そういうわけで、糖尿病本来の食事療法による血糖コントロールに加えて、タンパク質と塩分の摂取制限が加わる事になります。

その具体的な方法とは、医師の指導のもとで行いますが、一般的には塩分の摂取量の目標を1日に7g以下に設定します。

タンパク質の1日の摂取量については、糖尿病性腎症の患者さんの体重1kgあたりにして0,8~1,0gが目安との事です。

(一説にはたんぱく質の1日摂取量を患者さんの体重1kgあたりに0,5~0,7にすると、腎不全へと悪化するのを遅らせる効果があるとも言われています)

いくらメニューを考えて作るのが面倒だからと言って、同じものばかり食べるのは良くありません。同じものばかり食べるのが好ましくないのは一般的な糖尿病の食事療法と同じです。

当然ながら全く食事を摂らないというのも問題です。

食事療法によって摂取カロリー制限+タンパク質摂取制限+塩分摂取制限をやっていても、糖尿病性腎症が悪化し、腎不全の末期まで行ってしまうと、

水分を体外へ排出するにも腎臓の負担になりますから、高血圧・むくみ・尿の量が少ないなどの症状が現われた場合には水分の摂取量にも制限を設ける事になります。

水分が充分体外へ排出出来なければ、血流量が増える事によって、今度は心臓にまで負担がかかる事になり、心不全などになりやすくなります。

水分の摂取についても、自分で勝手に判断するのではなくて、医師の指示に従いましょう。

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