糖尿病 症状 目

糖尿病の症状と合併症・目に現われる症状

皆様の中には「糖尿病で失明した」というお話を耳にされた事のある方もいらっしゃるのではないでしょうか? そして、「糖尿病とは恐ろしい病気だ」という思いをお持ちの方も多いかと思われます。

確かに糖尿病とは恐ろしい病気です。しかし、失明するから糖尿病が怖いというのは少し違います。

そのお話をする前に、糖尿病とはどのような病気なのか、どのような症状が現われるのか、そして、何故糖尿病が恐ろしいのかというお話をしたいと思います。

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(=血糖)の濃度が高くなる病気です。

厳密に言えば「血糖が高くなる事によって身体の不調が現われる」という事になります。

血糖、つまり血液中のブドウ糖は脳や筋肉を動かすためになくてはならないエネルギー源です。そのエネルギー源であるブドウ糖が正常に使われないために血液に過剰なブドウ糖が余るというのが糖尿病のメカニズムです。

何故血糖値が高くなるのかと言えば、血糖値をコントロールしているインスリンというホルモンの分泌不足あるいは分泌されていてもそれが充分働いていないためです。糖尿病の患者さんの中にインスリン注射をしている方がいらっしゃいますが、それはインスリンを注射する事によって血糖値を下げているのです。

そして、その血糖値が上がり「糖尿病」と呼ばれる状態にまでなった場合には、疲れやすい・多飲多尿・目がかすむ・傷が治りにくいなどの症状が現われるようになります。これが「糖尿病の症状」つまり、高血糖状態になる事によって現われる症状なのです。

お気づきのとおり、これらは「どこかに激痛が走る」といった、痛みを伴わない症状です。それに加えて、うっかり見逃してしまいそうなものまで含まれます。そのため、糖尿病=高血糖状態を軽く見てしまうところがあるのが糖尿病の恐ろしいところです。

糖尿病が恐ろしいと言われる理由はそれだけではありません。糖尿病が恐ろしいと言われる最大の理由は糖尿病の合併症の存在です。

合併症とはある病気が原因で別の病気を発症する事です。この場合は糖尿病が原因で他の病気にかかってしまう事を差します。

糖尿病の3大合併症と呼ばれるのが、「糖尿病性腎症」・「糖尿病性神経障害」・「糖尿病性網膜症」です。

冒頭の「糖尿病で失明した」というお話を正確に言えば、「糖尿病の合併症で糖尿病性網膜症になって失明した」という事なのです。

何故糖尿病になると網膜症になってしまうのか、そのメカニズムは次のとおりです。

目の中にある網膜(光の明暗・色を感知する役目を担っている目の組織)には細かい血管(=毛細血管)がたくさんあります。

糖尿病になると血管が硬くなり、毛細血管の先にある細胞まで赤血球がたどり着く事が出来なくなってしまいます。

糖尿病性網膜症として最初に現われるのが「単純網膜症」です。

単純網膜症とは、網膜内に毛細血管瘤と呼ばれる網膜内の血管にちらほらとこぶのようなものが現われ始めた段階です。血管から血液や血液の中にある血漿(けっしょう)が染み出して点状あるいは斑状出血や硬性白斑が出来ている状態です。

単純網膜症の初期の段階で食事療法などをして血糖値が高くなり過ぎないようにコントロール出来るようになると、糖尿病による網膜症が改善する事もあると言いますので、この段階で何らかの対策を取る事が望ましいのは言うまでもありません。

しかし、単純網膜症には全く自覚症状がありません。そのため、自分の目がそのような状態になっている事に気付かず、人によっては糖尿病であるにもかかわらずそのまま放置してしまう事があります。そして、単純網膜症を放置していると、増殖前網膜症にまで進行してしまいます。

増殖前網膜症の段階になると、網膜の中を流れる血管の一部が詰まってしまい、網膜の一部に全く血液が流れなくなってしまったところが出来てしまいます。そのため、血液の流れが悪くなったところにある細胞が変化する事によって軟性白斑が出来たり、血液の成分が染み出して網膜浮腫と呼ばれる網膜の腫れが現われます。

この網膜浮腫が網膜の中でも黄斑と呼ばれる部分に出来た場合には視力が低下しますので目の異変に気付く場合もありますが、この段階でも自覚症状はあまりありません。

そして、血液の流れがストップしてしまうと、新たな血管(=新生血管)が網膜の表面や硝子体に出来ます。

一見するとそれで問題が解決したように思えますが、その血管は非常にもろいもので、何かの衝撃で簡単に破れて出血を起こすのです。それによって硝子体出血が起こったりします。

硝子体に出血が起こると視力にかなりのダメージが出るという事なのです。

糖尿病の合併症としての網膜症・糖尿病性網膜症とはこのように恐ろしいものです。最悪失明する事もあります。

しかし、糖尿病性網膜症の初期の段階で血糖値をコントロールする事が出来れば、症状が改善する事もあるとの事です。

そのため、糖尿病になった時には、目に自覚症状が現われていなくても眼科を定期的に受診して、目の状態をチェックしておく事が大切です。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク