リツキシマブ 投与後のインフルエンザワクチン接種

リツキシマブ 投与後のインフルエンザワクチン接種リツキシマブ投与後のインフルエンザワクチン接種は意味がないか

2009年新型インフルエンザ(A型H1N1亜型インフルエンザ、豚インフルエンザとも呼ばれます)については現在は普通の季節性インフルエンザと同じ扱いになっていて、「新型」インフルエンザではなくなりました。

しかし、これから先新型のインフルエンザが現われる可能性は皆無とは言い切れません。

そのために、新型インフルエンザワクチンが出来た場合に接種を受ける人の優先順位をあらかじめ決めておく必要があります。

その場合は、ハイリスクグループと呼ばれる乳幼児、65歳以上の高齢者、呼吸器や循環器の疾患を持っている人、糖尿病の人、腎臓の機能や免疫の機能に問題のある人などはインフルエンザにかかった時に肺炎などの合併症を起こしやすく、生命にかかわる事態にもなりかねないので、もし、日本国内で新型インフルエンザが発生した場合にはハイリスクグループの人に新型インフルエンザワクチン接種を優先させましょう。

しかし、それも絶対ではありません。本来ならばハイリスクグループに入る疾患を持つ人でもその対象からはずされる事もあります。

それについては2009年10月に作成された「新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準 手引き」の中に次のように書かれています。

・インフルエンザワクチンによってアナフラキシーショックを起こした事のある人

・全身の状態がかなり悪いためワクチンの安全性が確立出来ないと判断される人

・免疫不全の状態にあるためにワクチンの効果が期待出来ない人

・骨髄移植を6カ月以内に受けた人

・リツキシマブなどの投与を受けている人

リツキシマブ(rituximab)とは、分子標的治療薬の一種で、抗CD20抗体という抗体分子のモノクローナル抗体(抗体製剤)です。

B細胞性非ホジキンリンパ腫という、白血球の仲間であるB細胞が悪性化するタイプの非ホジキンリンパ腫に効果があるとされています。

また、現在では臓器移植の時に起こる拒絶反応や自己免疫疾患の治療にも効果を発揮するのではないかと期待されている薬でもあります。

モノクローナル抗体とは遺伝子工学を利用して作られた抗体分子です。

抗原を他の動物に投与する事によって作られるポリクローナル抗体が様々な抗体分子種が混じり合ったものであるのに対して、モノクローナル抗体の抗体分子種は単一ですので抗原分子の性質は均一になります。

モノクローナル抗体は標的となる分子に結びつきます。

そして、モノクローナル抗体と結びついた分子を持つ細胞(主にガン細胞)は白血球などのヒトの免疫にかかわる細胞によって破壊されます。

高い確率でそれが出来るところがモノクローナル抗体のメリットです。

リツキシマブは悪性化したB細胞と成熟しつつある段階の中のある特定のB細胞の細胞膜の表面にだけにあるCD20というたんぱく質の一種に結びつきます。

そして、リツキシマブに結びついたB細胞に対して強い免疫反応を起こす事によって、悪性化したB細胞を破壊します。

つまりリツキシマブはヒトの免疫反応を利用する事で病気の治療をする薬なのです。

リツキシマブ投与を受けている人は新型インフルエンザワクチンを優先的に接種出来る人からはずされています。

それはリツキシマブ投与後のインフルエンザワクチン接種はインフルエンザワクチンに対して抗体を作り出す事が出来ないため、インフルエンザワクチンの効果は期待出来ないと判断される状態になるからなのです。

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