インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザと普通の風邪の違い
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染する事で発症します。
インフルエンザにかかると高熱とともに頭痛や関節痛、全身の倦怠感など風邪のような症状が現われますが、インフルエンザと普通の風邪との一番の違いは、普通の風邪がのどの痛みや鼻水、咳などから現われるのに対して、インフルエンザは突然38℃以上の高熱を出すところです。
普通の風邪が最初に現われた症状が続き全身症状が弱いのに対してインフルエンザは関節痛や倦怠感などの全身症状が強く現われます。
普通の風邪で合併症を起こす事はまれですが、インフルエンザは肺炎や気管支炎、脳炎を併発して重症化しやすいのが恐ろしいところです。特に体力のない乳幼児や高齢者の場合は生命にかかわる場合もあります。
成人でも呼吸器や循環器に病気を持っている人や腎臓の機能に問題がある人、糖尿病の人や免疫力が弱っている人は持病が悪化し、肺炎などを起こす恐れもありますので特に注意が必要です。
インフルエンザと普通の風邪は予防法にも違いがあります。
インフルエンザの予防にはワクチンを接種するという方法がありますが、普通の風邪にはそれが出来ません。風邪のワクチンがないからです。
よく「インフルエンザワクチンを接種したのに風邪をひいてしまった」と言われますが、インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスに対して効果を発揮するものであって風邪のウイルスには効果がありません。
つまり、インフルエンザワクチンを接種していても風邪はひくのです。
インフルエンザは例年12月下旬から3月下旬までが流行期です。
12月中旬までにインフルエンザの予防接種をするのは、インフルエンザの流行期とワクチンの効果が最大になっている時期が重なるようにするためです。
また、インフルエンザの流行期には人ごみを避け、外出時にはマスクを着用し、自宅に戻った時には手洗いとうがいをする事もインフルエンザの予防になります。
それに対して普通の風邪は、身体の抵抗力が弱った時にかかりやすいものです。
平均すると一人につき年に5~6回かかると言われていますが、空気が乾燥してのどの粘膜の水分が失われる冬にかかりやすい傾向があります。
風邪の予防には睡眠を充分にとる、栄養のバランスの良い食事を摂る、ストレスをためない、たばこを控えるなど身体の抵抗力をつける事が大切です。
空気の乾燥を防ぐために加湿器を使用する事は風邪の予防とともにインフルエンザの予防にもなります。
インフルエンザと風邪は抗ウイルス剤が使えるか否かという違いがあります。
インフルエンザには抗インフルエンザ剤が使えますが、インフルエンザの症状が現われてから48時間以内に使用しなければ効果がありません。「インフルエンザにかかったかなと思ったら48時間以内に病院に行って下さい」と言われるのはそのためです。
それに比べて風邪のウイルスには抗ウイルス剤がありません。つまり風邪のウイルスを殺す方法がないのです。
なお、インフルエンザウイルスにも風邪のウイルスにも抗生物質は効きません。抗生物質は他の細菌に感染するのを防ぐ目的で使用されているのです。