インフルエンザ 桿菌莢膜多糖体

b型の莢膜多糖体を持つインフルエンザ桿菌は恐ろしい

ウイルスと菌(細菌)はよく混同されますが違うものです。

その違いを簡単に説明すると、細菌は細胞分裂で増殖する微生物であるのに対して、ウイルスは自分の遺伝情報(DNA)とそれを包む殻だけを持つ微粒子で、他の細胞に入り込む事で増殖する性質のもので自分だけで増殖する事が出来ないものであるというところです。

インフルエンザの原因になるのはインフルエンザ「ウイルス」です。

風邪(普通感冒)については少し複雑で、ライノウイルスやアデノウイルスなどのウイルス感染によるものもあればマイコプラズマなどの細菌感染によって発症する事もあり、その原因になるウイルスや細菌などの病原体の数は全部で200種類以上になるとも言われています。

また、毒性の弱いC型インフルエンザにかかった時には医師から風邪と判断される場合もありますし、インフルエンザウイルスとは別にヒトパラインフルエンザウイルスという風邪の原因になるウイルスもあります。

それ以外にもインフルエンザ菌(インフルエンザ桿菌)という細菌もありますので大変ややこしいです。

インフルエンザ菌(インフルエンザ桿菌)は正しくはヘモフィルス・インフルエンザ桿菌と言います。

桿菌(かんきん)とは細長い細菌の事です。

以前にインフルエンザの原因菌であると誤解された経緯があるために「インフルエンザ」という名前が残っていますが、この桿菌はインフルエンザの原因ウイルスであるインフルエンザウイルスとも風邪の原因ウイルスの一つであるヒトパラインフルエンザウイルスとも別のものです。

このインフルエンザ桿菌にもいくつかの種類があり、細菌の表面を覆う莢膜(きょうまく)があるものを血清型と呼び、ないものを無莢膜株あるいは血清型分類出来ないという事でnon-typableと呼ぶ事もあります。

さらにインフルエンザ桿菌の莢膜は多糖体から構成されている事から莢膜のあるものについてはその莢膜多糖体の糖鎖の構造の違いによってa~fの6種類に分類する事が出来ます。

無莢膜株については健康なヒトの咽頭や鼻腔にも存在する細菌ですが、やっかいなのが莢膜多糖体の糖鎖構造上で言えばb型の莢膜を持っているb型インフルエンザ桿菌(Hib)で、乳幼児に敗血症や髄膜炎などを引き起こします。

特にb型インフルエンザ桿菌による髄膜炎については、早期に発見して早期に治療を開始出来たとしても5%の死亡例がありますし、聴覚異常や発達障害などの後遺症を残す事もあるのです。

最近ではこのb型インフルエンザ桿菌にも抗生物質が効かない耐性菌が現われていて、それが治療を困難にしています。

このb型インフルエンザ桿菌(Hib)の予防法はワクチンを接種する事です。それも、生後2カ月~5歳までの間にワクチンを接種する事をおすすめします。その理由は、生後まもない新生児には母親から受け継いだ抗体によってb型インフルエンザ桿菌(Hib)などの病原体にかかりにくくしてくれるのですが、生後2カ月を過ぎると母親から受け継いだ抗体がなくなってしまい、細菌などにかかりやすくなってしまうからです。

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