中耳炎とインフルエンザ
インフルエンザの合併症 中耳炎
インフルエンザの恐ろしいところは合併症を起こしやすいところです。
特にハイリスクグループと呼ばれる乳幼児や65歳以上の高齢者、呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病の患者や腎機能や免疫機能が低下している人は気をつけなければなりません。
インフルエンザの合併症と言えば肺炎や気管支炎、中耳炎などが知られています。
中耳炎とは耳の中にある中耳というところが炎症を起こす病気で、インフルエンザの合併症として起こる中耳炎のほとんどは急性の中耳炎です。
インフルエンザの合併症としての中耳炎は成人よりは子どもがかかりやすく、特にまだ言葉を話せない乳児の場合はお父さん、お母さんが子どもさんの様子を注意深く見守る必要があります。
子どもさんがしきりに耳を引っ張ったりする時にはインフルエンザの合併症としての中耳炎を疑った方がよろしいでしょう。
言葉が話せるくらいの年齢の子どもになると、自分から耳が痛いとか耳が聞こえづらいという症状を訴える事があります。
そして、まれに耳垂れと呼ばれる、体液などが耳から流れ出る症状が起こる事があります。
そのような時には耳鼻科に行く事をおすすめします。
耳鼻科に行く時に注意する事は、耳鼻科に行く前に自分で耳あかなどを取らない事です。
耳鼻科では中耳炎かどうか判断するのに、鼓膜のはれの有無を耳鏡で見ます。
その時に鼓膜が見えやすいように耳あかを取る事があるのです。
耳鼻科に行く前に自分で耳あかなどを取ると、その時に耳の中を傷つけてしまう恐れがありますので、耳あかを取るのは耳鼻科の医師にまかせましょう。
耳垂れがある時にはその分泌液から中耳炎を起こしている原因菌や原因ウイルスを調べます。
また、インフルエンザが原因の高熱ではなくて中耳炎が原因の高熱がひどい時やあまりにも耳の痛みが激しい時、そして鼓膜にはれが認められた時には、鼓膜を切開して滲出液を出す事もあります。
鼓膜を切開すると聞くと耳が聞こえなくなるのではないかと不安に感じますが、そのような事はありません。
ちゃんと音は聞こえますし、切開した穴も普通は自然にふさがりますのでご安心下さい。
インフルエンザの合併症としての中耳炎にも合併症があるのをご存じでしょうか?
乳様突起と呼ばれる耳の後ろにある骨に細菌感染を起こす乳様突起炎、インフルエンザの合併症としての急性中耳炎が悪化して細菌が内耳にまで感染して炎症が起こる内耳炎という耳の病気だけにとどまらず、髄膜炎や脳膿瘍を合併する事もあると言いますから、インフルエンザの中耳炎も油断は禁物です。