前立腺がん 再発

前立腺がんの再発と再燃

前立腺がんの生存率については、病期やがんの性質(具体的にはがんの分化度と言えるでしょう。分化度が低いほどがんの悪性度は高いです)だけで判断されるものではなく、患者さんの年齢や身体の状態などにもよります。

全体的に見ると、前立腺がんは現在では生存率が最も高いがんだと言われています。

それでも、「前立腺がんが再発した」と言われると、やはり冷静ではいられないものではないでしょうか?

それでは、「前立腺がんの再発」とはどのような状態を差すのか、具体的に前立腺がんの再発の定義についてお話しましょう。

前立腺がんの再発は2種類あります。

一つ目は前立腺がんの治療によって低くなっていたPSA値が再び上昇した場合です。これを「PSA再発」と言います。そして、もう一つ目はがんが骨やリンパ節に転移した事がCT検査や直診などによって認められた場合です。これを「臨床的再発」と言います。

前立腺がんの再発とよく似た言葉に「再燃」があります。

「再発」とは上記のようにPSA値の上昇が認められた場合あるいは原発巣である前立腺から骨やリンパ節にがんが転移している事を画像や直診などで発見される事を言います。そして「再燃」とは、ホルモン療法によって一旦増殖が抑えられていたがんが生き残っていて、また増殖を開始した状態の事を言います。

何故前立腺がんが再燃するのか、そのメカニズムは次のとおりです。

前立腺がんは男性ホルモンの影響で増殖するという性質があります。つまり、男性ホルモンがないと前立腺がんは増殖しないのです。それを利用したのがホルモン療法(内分泌療法とも呼ばれます)です。

具体的には精巣を手術によって除去してしまうか、抗ホルモン剤を服用して男性ホルモンを出さないようにする事によって前立腺がんの増殖を抑制するという方法で前立腺がんを治療するのです。

ホルモン療法のデメリットは長期間ホルモン療法を継続していると、その効果が薄くなる事です。そして、その効果が薄くなれば再びがん細胞が増殖を開始するというわけです。そのため、「ホルモン療法単体で前立腺がんを完治させるのはまれだ」とまで言われていると言います。

完治を目指して前立腺がんの治療をしたとしても、がん細胞を全部摘出するなりして根絶させる事が出来なければ前立腺がんは再発する事があり、時にそれが骨などへの転移という形で姿を現す事もあります。

がんは転移しても、元のがん細胞の性質を受け継ぎます。つまり、骨やリンパ節に転移したとしても、その性質は前立腺がんと同一のものです。

前立腺がんは増殖スピードの遅いがんです。

どれくらい遅いか、具体的にお話すると、PSA再発からがんが骨やリンパ節に転移するまでの中央値はおよそ8年、さらにがんが骨やリンパ節に転移してから患者さんががんで亡くなるまでの中央値はおよそ5年という数値が出ています。

つまり、前立腺がんは進行の遅いがんである事から、患者さんにはそれだけ時間が残されているという事でもあり、ひいては最期の時をむかえるまでに前立腺がんが再発および再燃した場合の治療法が新たに確立される可能性が残されているという事でもあります。

時間があるというのは大きな強みです。ですから、「前立腺がんが再発(再燃)した」と告知されても、「自分は前立腺がんで死ぬのだ」と悲観的にならない事が大切なのではないでしょうか。

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