前立腺がん 小線源治療

前立腺がんの小線源治療とは

小線源(しょうせんげん)治療とは患部に放射線を出す物質を入れる事によって治療をするという治療法です。放射性物質を使ってがんを治療するわけですから、放射線療法の一種と言えるでしょう。

この小線源治療は肺がんや食道がん、子宮頸がんなどの治療に使われていますが、中でも限られた範囲にのみ存在する、転移のない前立腺がんに対して使われる小線源療法は、外科療法つまり手術と同じくらいの効果がある上に合併症の少ない治療法だという事で注目されているとの事です。

前立腺がんの小線源療法についてもう少し詳しくお話しましょう。

食道がんや肺がん、子宮頸がんの小線源療法があらかじめ食道や気管、子宮腔などの適当と思われる場所にチューブを入れたあとに放射線源を挿入するという、「腔内照射法」と呼ばれる方法なのに対して、前立腺がんに対して行う小線源療法については「組織内照射法」と呼ばれる、ヨウ素125という放射性物質を小さな粒状の容器の中に密封したものを前立腺に埋め込むというやり方で治療をしてゆきます。

どのようにしてヨウ素125を密封した粒状の容器(アイソトープ)を前立腺に埋め込むのかと言えば、半身麻酔をしたあと、肛門から超音波を挿入し、位置を確認しながら会陰(えいん)と呼ばれる睾丸と肛門の間から針を挿入してヨウ素125を密封した粒状の容器を入れて行くという方法で埋め込む方法が多いとの事です。

(アイソトープを埋め込んだあとにそれを取り出す必要はありませんので、再度麻酔をしてアイソトープを取り出すという工程は不要です)

そして、放射線を前立腺全体に内部から放出する事によってがんを治療するという方法がこの「組織内照射法」という治療法なのです。

前立腺がん含む小線源治療の問題点とは

放射性物質を体内に埋め込むという事で気になるのが周囲に対する放射線被ばくですが、およそ半年くらいでヨウ素125の効力は消えて行きます。

しかし、やはり微量の放射線が体外に出てしまいますので、周囲への影響があまりない事が確認されるまでは個室に入院する事になるとの事です。

そして、周囲への影響があまりない事が確認されたあとにも半年くらいは放射線の影響を受けやすい小さな子どもや妊娠中の女性などのそばに長時間いるのは避けていただく必要があります。

また、組織内照射法含む小線源治療を受けた1年後までは小線源治療を受けた事を示すカードを携帯する事が義務付けられていますので、それを守って下さい。

そして、冒頭で「小線源治療は合併症の少ない治療法」だと書きましたが、やはり合併症が出ないとは言い切れません。

アイソトープを埋め込んだ直後には針を刺したところが腫れたり軽度の痛みを感じる事がありますし、血尿が出る・排尿時に痛みを感じる・排尿困難などが数日続く事もあるとの事です。それからしばらく経ってから残尿や頻尿、排便回数が増えるという事もありますし、勃起障害が出る場合もあります。

これらの症状はアイソトープを埋め込んでからおよそ半年で改善する傾向があると言いますが、人によっては1年以上続く場合もあるとの事です。

また、この小線源治療が出来るようになってから日が浅い事もあって長期的な影響についてはまだわかっていない部分が多いのも事実です。

ちなみに前立腺がんにおいて小線源治療(組織内照射法を受けたあとにがんが再発した場合は、手術によって前立腺がんを治療するのは難しいとされているとの事です。

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