前立腺がんとは

前立腺がんとは

前立腺がんとは、精子に栄養を与えるための前立腺液と呼ばれる液体を分泌する、前立腺という臓器に出来るがんの事で、よく前立腺肥大症が進行すると前立腺がんになると思われていますが、それは違います。

前立腺肥大症とは前立腺に出来る良性の腫瘍の事で、悪性の腫瘍である前立腺がんとは根本的に違います。

「腫瘍=がん」と思われがちですが、人体に出来る腫瘍には良性の腫瘍と悪性の腫瘍があります。そして、悪性の腫瘍の事を「がん」と呼ぶのです。

そして、前立腺肥大症も頻尿や排尿障害が現われるなどの前立腺がんと同じような症状が出ますが、良性の腫瘍ですので、放置していても患者さんの生命にかかわる事はありません。しかし、悪性の腫瘍である前立腺がんを放置しておくと、原発巣である前立腺から周囲の臓器やリンパ節、そして骨に転移してしまい、患者さんの生命にかかわります。

ですから、前立腺がんを「前立腺肥大症だ」と勝手に判断すると取り返しのつかない事になりかねませんので、疑わしい症状が現われた場合には医療機関を受診される事をおすすめします。

このように、前立腺がんと前立腺肥大症は前立腺に出来る腫瘍という点で言えば同じですが、悪性の腫瘍と良性の腫瘍だという点が大きな違いである事は前章でお話したとおりです。しかし、同じ「前立腺に出来る腫瘍」と言っても、前立腺のどこに出来るのかについても違いが見られると言います。

前立腺がんは前立腺の外腺という、前立腺液を分泌するところに出来る事が多いのですが、前立腺肥大症は前立腺の中でも内腺という、尿道液を分泌しているところに出来る事が多いという傾向があり、両者の違いと言えるでしょう。

前立腺がんの種類とは

今までお話して来たとおり、前立腺に出来る腫瘍と言っても良性のものと悪性のものがあります。そして、前立腺に出来る悪性の腫瘍である前立腺がんの中でもその性質によって3種類に分類する事が出来ると言います。

「悪性腫瘍(がん)」と一言で言っても、その性質には違いがあり、進行が早いものもあれば遅いものもあります。

そして、前立腺がんの分類とは、悪性度の高低やがん細胞の増殖方法などによって分類され、日本ではWHO(世界保健機構)が提唱している分類法で前立腺がんをしています。それが「高分化型腺がん」・「中分化型腺がん」・「低分化型腺がん」の3種類というわけです。

がんの悪性度が一番高いのが低分化型腺がんで一番低いのが高分化型腺がんになり、中分化型腺がんはその間になります。

言葉だけを聞くと高分化型腺がんが最も悪性度が高くて低分化型腺がんが最も悪性度が低いように感じられますが、そうではないのは意外に思えます。しかし、「分化」という言葉の意味をとらえると全く逆になります。

ヒトの身体を構成している細胞はたった一つの受精卵から始まって、脳を構成する細胞が作られたり心臓の細胞が作られたりというように、言わば「細胞が専門化」してゆくのは皆様ご存じのとおりです。このように、元々は同じものだった始原細胞がその機能や形態を特殊化してゆく細胞の変化の事を「細胞分化」と言います。

そして、ヒトの身体を構成している細胞一つ一つが分化する前の状態に戻る事がないように、通常は傷ついた組織が再生されるなどの例外を除いて分化が逆方向になる事はありませんが、がん細胞はその例外になるのです。そのため、がん細胞の分化度が高いという事は元の組織、この場合は前立腺を構成している細胞の性質からあまり変化していないという事になります。

そして、分化度が低い細胞ほど分裂・増殖が早いという特性がありますが、それは前立腺がんにも当てはまります。その結果がん細胞については分化度が低いほど悪性度が高くなり、分化度が高いほど元の細胞に近いために悪性度が低くなるというわけです。

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