転移性肝臓がん 治療

転移性肝臓がんの治療について

肝臓がんは、肝臓からがん細胞が生じた「原発性肝臓がん」と、肝臓以外の臓器からがん細胞が肝臓に転移して肝臓がんに移行したものを「転移性肝臓がん」の2種類に分けられます。つまり、がん細胞が肝臓から出来たものか否かという事で分類されるわけです。

元々肝臓から発生したがんではなくて他の臓器から転移して来たがんなのですから、厳密に言えば「○○(原発腫瘍の名前)がんの肝転移」と言うべきなのですが、肝臓へ転移して来るがんが多い事と元のがんの出来た臓器に違いはあってもがんが肝臓に転移して来る経緯は同じなので、「○○(原発腫瘍の名前)がんの肝転移」ではなくて「転移性肝臓がん」と呼ばれるのです。

転移性肝臓がんの治療は、元々がんが出来ていたところに応じて変わって来ます。

たとえば、胃がんからの転移性肝臓がんであればまずは胃がんの治療を、すい臓がんからの転移性肝臓がんであればまずはすい臓がんの治療をする、というような形になります。

手術で切除する事で生存率が上がる大腸がんからの転移性肝臓がんを除けば肝臓にがん細胞が肝臓に転移している時点で全身にがん細胞が転移している状態である事が多いため、転移性肝臓がんの治療の主流は抗がん剤などによる薬物療法になります。

転移性肝臓がんの治療として外科(手術)療法が行われる事もありますが、それは原発腫瘍の悪性度や肝臓とその他の臓器のがんの状態にもよりますし、何よりも手術は患者さんの身体に負担がかかりますので、実際に外科(手術)療法の対象になるのは転移性肝臓がんの患者さんのおよそ10~30%と、お世辞にも「多い」とは言えない割合になります。

それは前述のとおり肝臓にがん細胞の転移が確認出来た時点で他の臓器にもがん細胞が転移していた事が多いためです。

特に全身病と呼ばれる乳がんを原発とした転移性肝臓がんについては肝臓にがん細胞の転移が確認された時点で肝臓以外の肺や骨、リンパ節など身体の様々なところに転移していたという事も少なくありません。そのような状態では外科療法で治療が可能なケースはほぼないと言えましょう。

転移性肝臓がんの治療法の主流は抗がん剤などによる薬物療法という話はしました。

最近ではラジオ波焼灼術による治療が注目されています。

ラジオ波焼灼術による治療は原発性肝臓がんの治療として行われていた治療法です。

ラジオ波焼灼術によってがんの完治を目指す事が出来るがんには条件があります。具体的には次の項目を満たしている事がその条件になります。

1 腫瘍が肝臓だけに存在する事 (がんの転移が見られない)

2 腫瘍の大きさが3cm以内でその数は3個までの場合。もしくは腫瘍の大きさが5cm以内で腫瘍が単発的に存在している場合

読んでいただいておわかりのとおり、転移性肝臓がんの場合は1の項目を満たしていない事になります。

しかしながら転移性肝臓がんになっていても、腫瘍の大部分が肝臓に出来ていて、治療を受ける患者さんがそれまでに全身化学療法を受けていないかそれを受けていて、ある程度それが効いている状態にある場合はラジオ波焼灼術によってがんを減らして、そのあとに全身化学療法を行う事によってその効果が期待出来ると言います。

これらの項目を逆に言えば、ラジオ波焼灼術による治療は腫瘍のほとんどが肝臓以外にある患者さんや抗がん剤の効果が認められない患者さんには効果は期待出来ないという事になります。

転移性肝臓がんとは他の臓器からがんが転移して来ている状態なので、転移性肝臓がんの生存率についてですが、残念ながら良いとは言えません。肝臓がんに限らずどの臓器のがんにも言える事ですが、がんが転移を起こしていると生存率が下がります。

しかし、先ほどご紹介したラジオ波焼灼術による治療など転移性肝臓がんの治療法も進化して来ています。もしかしたらこれからもっと患者さんの生存率と治療成績の上がる治療法が見つかる可能性もありますので、「どうせ自分は死ぬのだ」とやけにならないで治療に専念して下さい。

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