膵臓がん 手術

膵臓がんの手術とは

膵臓がんの治療法についてお話しましょう。

膵臓がんの治療法は、外科療法(手術)・化学療法(抗がん剤による治療)・放射線療法の3種類のいずれか、あるいは化学療法と放射線療法を組み合わせた化学放射線療法など、それらの治療法を組み合わせるのが標準的な治療法です。

実際にどの治療法で膵臓がんを治療してゆくのかは膵臓がんの進行具合と患者さんの状態によって決められます。

膵臓がんは治療が難しいがんで、膵臓がん完治に向けて治療するならば手術(外科療法)が一番確実な治療法だと言われています。

しかし、膵臓がんの場合はがんの増殖スピードが速い事と転移しやすい事もあって、残念ながら手術を受けられる患者さんは膵臓がんの罹患者のうちおよそ2割だと言われています。その意味では膵臓がんの治療法の中心は手術とは言い難いのが現状です。

それでは、膵臓がんの手術を受けられる状態とはどのような状態なのでしょうか?

それはUICC分類によるステージ分類で言えば1期あるいは2期に当たります。詳しく言えばがんが原発巣である膵臓内にとどまっている、あるいはその周辺の臓器あるいは気管だけに浸潤している場合においてのみ手術が可能だという事になります。

かつてはがんが血管に入り込んでいる(血液浸潤)状態でも拡大手術(がんだけを切除するのではなくて広い範囲を切除する手術。主にがんの再発を防止する目的で行われる)をしたとの事ですが、手術が大掛かりになればその分合併症の危険性が高まる事と、これは欧米での比較になりますが、拡大手術をした患者さんと標準的な手術をした患者さんとで解析を行ったところ、両者の治療成績に違いが見られなかった事、そして、前にもお話したとおり元々膵臓がんとは治療の難しいがんであり、医師の間でも「膵臓がんの治療には限界がある。無理をして拡大手術をしたところで患者さんの身体に負担がかかるだけで意味がないのではないか」という考えの元に膵臓がんの治療を行っているところが多いとの事で、現在では標準的な膵臓がんの手術のあとに抗がん剤による化学療法を行う傾向があるとの事です。

現在の膵臓がんの標準的な手術では、がんが出来た場所によって、「膵頭十二指腸切除」・「膵体尾部切除」・「膵全摘術」の3種類の方法を選択します。

膵頭部、つまり膵臓の頭の部分にがんが出来ている場合には膵頭十二指腸切除という方法で手術をします。

膵頭十二指腸切除とは、膵頭部と十二指腸、そして小腸・胆嚢・胆管を切除する方法です。これらの臓器の他に胃の一部を切除するケースと胃を切除しないケースがあります。

そして、これらの臓器の切除が終わったあとには切除した膵臓や消化管、そして胆管の再建をする事になります。

この膵頭十二指腸切除のメリットは膵臓の機能が充分に残る事です。そのため、膵頭十二指腸切除を受けたあとの膵臓でも膵液とインスリンを作る機能は残されるというわけです。

膵臓の体部や膵臓の尾部にがんがある場合には膵体尾部切除という手術が行われます。膵臓の頭の部分は残し、膵臓の体部・尾部とともに脾臓も切除するという方法です。

膵体尾部切除では消化管を切除する事はありませんので、消化管の再建は不要です。

がんの広がり方によっては膵臓を全部切除する手術を行う事もあります。これを膵全摘術と言います。

膵全摘術を受ける事は膵臓がなくなってしまうという事になるのですから、手術後には膵臓の機能は全く失われてしまう事になります。そのため、膵全摘術を受けたあとには必ずインスリンの注射をする・薬を飲むなどして、失われた膵臓の機能を補う必要があります。これが膵全摘術のデメリットです。

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