膵臓がん ステージ
膵臓がんのステージ分類は2種類ある
多くのがんがそうであるように、膵臓がんもステージ(病期。がんの進行度と訳される場合もあります)分類されます。そして、そのステージや患者さんの状態などを考慮してどのように膵臓がんを治療してゆくのかを決める事になります。
ただ、膵臓がんは国際的に採用されているステージ分類法(UICC分類と呼ばれます)と日本膵臓学会での分類法、つまり日本独自の分類法の2種類の分類法があります。そのどちらを採用しているかは医療機関や医師によって違いがあります。
膵臓がんについて書かれたサイトでは国際的に使用されているステージ分類法(UICC分類)で膵臓がんのステージを分類しているものが多く見られますが、実際に自分あるいは自分の家族や友人が膵臓がんにかかった場合にその主治医がどちらのステージ分類で膵臓がんのステージを分類しているのかはわかりません。
よって、自分あるいは自分の家族が膵臓がんにかかった場合には膵臓がんのステージだけを聞くのではなくて、がんがどこまで進行しているのかを主治医に聞いて理解した方がいいでしょう。
(自分の友人が膵臓がんにかかった場合にはそこまで立ち入るか否かは状況によるかと思われますが)
その2種類の分類法がどう違うのか、具体的にお話しましょう。
まずはUICC分類による膵臓がんのステージ分類からお話します。
・1期:がんは膵臓内だけにある。あるいはがんのおよぶ範囲が膵臓のごく近辺の組織。がんの転移は認められない。
・2期:がんは膵臓の近くの臓器あるいは器官にまでおよんでいるもののがんのリンパ節転移は認められない。
・3期:がんの膵臓の付近にあるリンパ節への転移が認められる。
・4期:がんが肝臓や胃、肺などに遠隔転移している。
それに対して日本膵臓学会でのステージ分類ではこうなっています。
・1期:がんは膵臓内にのみ認められ、かつその大きさが2cm以内である。
・2期:がんは膵臓内にのみ認められるが、その大きさは2cm以上ある。あるいは原発巣である膵臓内のがんは2cm以内だが第一リンパ節までがんの転移が認められる。
・3期:がんは膵臓から少し外に出ているもののリンパ節転移は認められない。または第一群リンパ節までのがんの転移が認められる。
あるいはがん自体は膵臓内にとどまっているものの第二群リンパ節までがんが転移しているのが認められる。
・4期:がんが膵臓の周囲の臓器あるいは器官までおよんでいる。あるいはがんの遠隔転移が認められる。
このように微妙な違いはありますが、膵臓がんが原発巣である膵臓だけにとどまっているのか、あるいは転移が認められるのか、がんが転移しているのであればどこまで転移しているのかを重視しているという点においては、どちらのステージ分類法においても共通していると言えるでしょう。