膵臓がん 生存率

何故膵臓がんの生存率が低いのか

膵臓(すいぞう)がんの生存率についてですが、外科療法によって膵臓を切除出来た場合については、残念ながら胃・大腸・肝臓・膵臓の消化器系のがんと比較すると最も悪いです。

具体的な数字をあげると、膵臓がんの患者さんの手術後の5年生存率が日本全国の集計によると、10~15%です。

肝臓を切除した場合の肝臓がんの患者さんの5年生存率が50~60%だという事を考えると、いかに膵臓がんの生存率が低いかをうかがい知る事が出来ます。

何故膵臓がんの生存率はこれほど低いのでしょうか?

まず、膵臓がんは早期に発見する事が難しい事がその理由の一つです。

膵臓がんはがんの初期には自覚症状が出にくいため、がんの早期に膵臓がんの罹患者が医療機関を受診する事がまずありません。

そして、がんの早期発見に役立つ健康診断も膵臓がんの早期発見には至る事が少ないという現状があります。それと言うのも、膵臓はその周囲を肝臓や胃腸などの臓器に囲まれた、人体の中心部に位置するために検査をするのが難しいのです。

それに加えて、膵臓がんが早い段階で転移しやすい事がその理由としてあげられます。

膵臓がんは転移しやすいのです。

そのため、肝臓などの周囲の臓器やリンパ節などにがんが転移してしまうのです。

その中でも膵臓がんは特に肝臓に転移する事が多いです。何故ならば膵臓を流れた血液が最初に向かう先が肝臓だからです。血液に乗って酸素や栄養素などの必要な物質だけではなくて、がん細胞も転移してしまうのが恐ろしいところです。

そのため、膵臓を手術したとしても、その後およそ50%の膵臓がんの患者さんが肝臓にがんを再発してしまうのだと言います。

もちろん、医療従事者も手をこまねいているわけではありません。膵臓がんの治療成績を上げ、膵臓がんの生存率を上げようとする努力は続けられています。

たとえば、膵臓がんの手術のあとに放射線療法や抗がん剤を使っての治療をする事によって膵臓がんの治療をするという試みもあります。

しかし、残念ながらこの治療法も、現在のところ満足な治療成績を出す事が出来たとは言えません。

そうは言うものの全く効果がなかったというわけではありません。

一例として愛知県センター中央病院でのお話をさせていただきますが、愛知県センター中央病院では外科療法によって膵臓を切除する事と術中照射を併用したところ、膵臓がんの5年生存率が21%に向上したとの事です。

転移性膵臓がんの化学療法を行った場合の生存率ですが、50%生存率が5,2ヵ月で3年生存率が11%です。

「低すぎる!」と叫びたくなりますが、それでも化学療法を行わなかった場合の転移性膵臓がんの50%生存率が2,1カ月、1年生存率(※3年生存率の書き間違いではありません)が8%である事を鑑みれば、化学療法の効果を認めざるを得ません。

ちなみに放射線化学療法を使って局所進行膵臓がんを治療した場合の生存率もご紹介すると、1年生存率が50%、2年生存率が27%となっています。

これらの数字を見ておわかりのとおり、膵臓がんの治療については、現在のところ残念ながら満足のいく治療成績を出すための治療法が確立されているとは言い切れないところがあります。

しかし、現在様々な薬を組み合わせた臨床実験が全国のがんセンターで行われているとの事ですので、新たな膵臓がんの治療法が見つかる可能性はあります。

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