膵臓がん 治療

膵臓がんのステージ(病期)と治療法

近年がんの治療技術・検査技術の向上によりがんの治療成績もアップして来て、がんの患者さんの生存率も高くなって来ました。しかし、残念ながら現在でも「治療が難しい」とされるがんもあります。膵臓がんがそれにあたります。

がんに限らず病気全般に言える事ですが、早期にそれを発見して早期に治療を開始するのが病気の完治への第一歩になります。

しかし、検査法が進歩した現在でさえ膵臓がんは早期に発見する事が難しいのです。

それに加えて、膵臓がん自体が悪性度の高いがんである上に転移しやすいという特徴があります。

つまり膵臓がんとは「早期発見が難しい。転移しやすい。よって治療が難しい」という、病気としては嫌な要素を持ったがんであると言えるでしょう。

では、膵臓がんの治療法とはどのようなものがあるのでしょうか?

その話に入る前に、膵臓がんのステージ分類については国際的に採用されている分類法と日本膵臓学会での分類法とで弱冠違いがある点についておことわりさせていただきたいと思います。

ここから先は国際的に採用されているステージ分類法にのっとって話を進めますが、実際の医療現場ではそのどちらの分類法を採用しているのかは医療機関や医師によって違うとの事ですので、もし、ご自分あるいはご家族の方が膵臓がんに罹患された場合にはその点について主治医にお聞きになる方がよろしいかと思われます。

膵臓がんに限らず「がん」と言えば「手術で切除して治すもの」というイメージがあるかと思われます。

膵臓がんも手術(外科)療法による治療を行う事がありますが、それはステージ(病期)1か2にあたる初期の膵臓がんのみです。

手術出来る膵臓がんの条件は次の2点です。

・がんの転移が認められない事(がんが膵臓内だけに存在する事)

・上腸間膜動脈や総肝動脈などの膵臓付近の重要な血管へのがんの広がりが確認されない事

なお、がんの転移は認められないものの、膵臓付近にある重要な血管へがんが広がっている事が確認された場合にはステージ3(局所進行がん)と判断され、外科(手術)治療の対象にはなりません。その場合には化学療法(抗がん剤による治療)あるいは化学療法と放射線による治療を併用する治療法(これを化学放射線療法と呼びます)かを選択する事になります。

しかし、ステージ3の膵臓がんの治療については、化学療法だけで行うのか化学放射線療法の方が良いのかは医療機関や医師によって考え方がまちまちなのが現状です。

「放射線治療は局所治療になるため、放射線治療を行っている間にがんが遠隔転移を起こす危険性があるので、まずは全身に効果が期待出来る抗がん剤による治療を行って遠隔転移の危険を回避してから化学放射線療法をやった方がいいのではないか」という意見もあります。

しかし、現実には抗がん剤だけでもある程度の効果が出ている事と放射線治療には1ヵ月半~2ヵ月の通院あるいは入院が必要になる事、そして、放射線治療による副作用への懸念があるという理由により、全体的には抗がん剤のみで治療を行っている医療機関が多いのではないかと予想されています。

そしてステージ4(転移膵臓がん)の膵臓がんの治療法については、化学療法になります。ステージ4の膵臓がんの治療として化学放射線治療は行われません。

以上がステージ分類における標準的な膵臓がんの治療法ですが、実際どの治療法で膵臓がんを治療してゆくのかは患者さんの身体の状態にもよります。がんの治療そのものが患者さんの身体に悪影響を及ぼすと判断出来る場合には膵臓がんによる痛みをやわらげたりする緩和治療を選択する場合もあります。

また、ここでご紹介した治療法以外にも熱療法や免疫療法も臨床試験という形で試みられているとの事です。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク