すい臓がん 肝臓転移

すい臓がんの肝臓転移~その理由と治療法~

すい臓がんの生存率は残念ながらお世辞にも良いとは言えません。

その理由として、すい臓がんの初期には症状らしい症状が現われないために罹患者が自発的に医療機関を受診する事が少ない事、それに加えてすい臓という臓器が人体の中心に位置しているために検査によってがんを発見する事が難しい事、そしてすい臓がんとはがんの大きさが数ミリメートルというほんの小さながんであっても悪性度が高いため、がんの進行が早く、転移しやすいという特徴があるからです。

他の臓器にがんが転移する前に手術(外科療法)によってがんを摘出出来ればいいのですが、残念ながらすい臓がんの場合はすい臓がんであると診断された時にはすでに他の臓器へ転移していたという事も少なくないのです。言い方は悪いですが、原発巣であるすい臓からがんが転移する前にすい臓がんが見つかるのは運が良いと言われても仕方のないほどすい臓がんは転移しやすいのです。

それでは、すい臓がんはどのようにして他の臓器へと転移してゆくのでしょうか?

がんが進行すると、がん細胞が原発巣であるすい臓からその付近にあるリンパ管内に入り込む事があります。すると、がん細胞がリンパの流れに乗り、流れ着いた先でがんが根を下ろし、そこで増殖するのです。これが「リンパ節転移」と呼ばれるものです。

人体の中には腹膜と呼ばれる薄い半透明な膜があります。その腹膜の中にさながらがんの種をまいてそれが根を下ろすかのようにがんが転移する場合があります。それを「腹膜播種(ふくまくばんしゅ)」と言います。

そして、がん細胞が血液の流れに乗って、流れ着いた先で増殖を始めるのが「血行性転移」です。そして、すい臓がんはこの血行性転移によって肝臓にがんが転移する事が多い事でも知られています。具体的にはすい臓がんを手術した患者さんの半数以上がその手術のあとにがんの肝臓転移が見られると言われるほど多いのです。

その理由として、すい臓内を流れて出た血液が最初に向かうところが肝臓だという事があげられます。

肝臓はたんぱく質の製造や人体の解毒に関わる臓器です。そのため、多くの血液が肝臓を出入りします。その血液の流れに乗って、必要な物質だけではなくがん細胞も一緒に入って来る事があるのです。

すい臓がんの肝臓転移が見られる場合の治療法は化学療法(抗がん剤による治療)が中心です。すい臓がんが肝臓に転移してもがん自体はすい臓がんと同じ性質を持っているため、すい臓がんの肝臓転移で使用される抗がん剤はすい臓がんで使用される抗がん剤になります。

蛇足ながらすい臓がんにおいて肝臓転移が見られる場合には基本的にはがんの摘出手術を行う事はありません。

その理由として、手術をする事によって患者さんの身体に大きな負担がかかる事と、肝臓転移が見られるすい臓がんの患者さんの生存期間の平均が短い上にがんを摘出する事による生存率の向上が見られない事があげられます。

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