食道がん 予後

食道がんは予後不良のがんか?

食道がんとは昔は予後不良のがんの一つでした。

その理由として、食道がんの手術によって死亡する事があった事と、食道がんを無事手術で切除出来たとしても再発する確率が高かった事、そして、食道がんの転移のしやすさがあげられます。

食道がんは食道の粘膜から発生しますが、その原発巣である食道の粘膜はしょう膜と呼ばれる丈夫な膜を持っていません。つまり、がんが大きくなれば容易に食道の壁を破って外に出やすいという事になります。

それに加えて、食道自身やその壁にはたくさんの血管やリンパ管が流れています。

その豊富に流れている血管やリンパ管の中にがん細胞が入り込んで、血行性転移やリンパ節転移と呼ばれる方法によって流れ着いた先でがん細胞が根を下ろして新たにがんを発生させてしまうのです。

さらに食道の壁を破って外に出たがん細胞は、「腹膜播種」と呼ばれる転移をする場合もあります。

腹膜播種とは、胃などの腹部にある臓器を原発巣とするがんが、腹膜という胃などの人体の腹部にある臓器を覆っている半透明の膜の中に転移する事で、さながらがんという種をまいたようにがんが散らばってゆくので「腹膜『播種(=種をまく事)』」という名称がついています。

しかし、最近では食道がんの検査技術と食道がんの治療技術の両方が上がって来た事もあり、食道がんを早期に発見し、早期に治療が可能になって来ました。よって「食道がん=予後不良のがん」とは言い難くなりつつありますが、それはあくまでも「食道がんを早期に発見出来た場合」です。

食道がんは消化器のがんとしては悪性度の高いがんです。

前述のとおり、早期に発見し早期に治療を開始した場合の治療成績は良好です。

0期と呼ばれる早期の食道がんを内視鏡を使って切除した場合の5年生存率は100%に近いです。

もう少しがんが進行して食道の粘膜の下の層まで大きくなっていたとしても、リンパ節転移さえ起こしていなければ80%は治るとさえ言われているほど治療成績は良くなって来ました。

しかし、それを逆に言えば「リンパ節転移を起こしていれば20%は治らない」という事になります。

食道がんが再発した時にそれが頸部への局所再発であった場合には手術も可能な場合もありますが、それは他の臓器に転移がない事・がんが少ない事・食道がんを最初に発症した時に内視鏡あるいは食道の狭い範囲だけを切除した(つまり食道がんを発症した時に切除部分が小さい上に再発したがんが少なくて頸部以外に転移していない)場合に限ります。

残念ながら広範囲にがんが散らばってしまった場合には現在でも治療法は確立されていないのが現状ですので、現在でも食道がんがリンパ節転移を起こして広範囲にがんが散らばってしまった場合には「予後不良」と言わざるを得ません。

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