食道がん 内視鏡手術

早期の食道がんは内視鏡手術(内視鏡的粘膜切除術)で治療

食道がんは悪性度が高い上に転移しやすく再発もしやすいために、昔は死亡率も高いがんでした。それに加えて、食道がんの手術もがんの手術としては大掛かりなものになるために患者さんの身体への負担も大きく、昔は食道がんの手術によって患者さんが亡くなる事も少なくなかったと言います。

最近では検査技術が向上して来た事もあって本当の初期の食道がんも発見出来るようになり、その結果早期に食道がんの治療を開始する事が出来るようになった事と治療技術自体も上がって来た事によって、「食道がんはリンパ節転移さえなければおよそ80%以上は完治出来る」とさえ言われるようになりました。

食道がんは食道の粘膜から発生しますが、その中でも食道の壁の粘膜の下層まで浸潤していてリンパ節などにがんの転移が見られない早期の食道がんの場合は内視鏡手術でがんを切除します。

内視鏡手術を簡単に説明すれば「内視鏡で食道の内部を見ながらがんを切除する手術」の事で、手術にかかる時間もおよそ1時間と大掛かりな手術ではないため、入院も短期間で済み、食事も次の日から摂る事が出来るというメリットがあります。

ちなみにこの「内視鏡手術」という名称について説明させていただくと、ネットなどでは「内視鏡手術」・「内視鏡治療」などの名称で表記されている事もありますが、正しい名称は「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」と言います。

本来ならば正しい名称で話を進めるのが筋かと思われますが、「内視鏡手術」という名称の方が短くてわかりやすいため、ここでは「内視鏡手術」という名称で統一させていただきます。ご了承下さい。

「内視鏡手術で短時間に治療出来るのはいいけれど、そのあと後遺症などはないのか?」と聞かれそうですが、食道の粘膜はがんを切除したあとには再生しますので、内視鏡手術を受ける前と同じ生活を送る事が可能です。

ただ、内視鏡手術によって食道がんを切除した範囲が広い場合には切除したあとがひきつるなどの後遺症が出る場合があります。

しかし、内視鏡手術の最大のデメリットは後遺症が出る事よりも、むしろ早期の食道がんにしか使えない治療法だという事でしょう。

内視鏡手術によって食道内のがんを切除したあとにその組織を検査したところ、内視鏡手術の前に食道がんの検査をした時よりもがんが進行していたり、がんがリンパ管や静脈に浸潤していたという事も残念ながらあります。その場合は内視鏡手術ではない外科療法(手術)や放射線療法、化学療法(抗がん剤による治療)を受ける必要があります。

ここから先は余談になりますが、日本では内視鏡検査、つまりバリウムを飲んでそれが食道を通ってゆく様子を観察し、それをX線で撮影してがんや病気の有無を調べるという検査方法は広く一般的に行われる検査方法ですが、欧米では内視鏡検査は一般的ではないため、早期の段階で食道のがんが見つかる事はまれだと言います。

欧米に比べて日本の食道がんの治療成績が良い理由は、内視鏡検査によって早期の食道がんを発見して早期に内視鏡手術などの方法で食道がんの治療を開始する事が出来るためだと言っても過言ではないでしょう。つまり、食道がんを完治するには早期発見・早期治療が大切だと言う事になります。

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