甲状腺がん

「甲状腺に出来る腫瘍と甲状腺がんは同じものではない

甲状腺に出来る腫瘍の事を結節性甲状腺腫と言います。

その甲状腺に出来る腫瘍・結節性甲状腺腫を大きく分けると良性のものと悪性のものがあり、それをさらに細かく分けると良性のものに良性腫瘍と腺腫様甲状腺腫があり、悪性のものに甲状腺がんと悪性リンパ腫があります。

これは人体に出来る腫瘍全体に言える事ですが、腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、悪性の腫瘍の事をがんという事が多いのが現状です。人体に出来る腫瘍=がんというわけではありません。それは結節性甲状腺腫も例外ではないという事なのです。

そして、前述のとおりがんと悪性腫瘍は同じものとして扱われる事が多いのですが、厳密に言えばがんとは人体の中にある臓器の表面に近い粘膜や粘膜上皮を構成している細胞が何らかの原因で悪性化するもので、それ以外の組織を構成している臓器、たとえば骨や筋肉を構成している細胞や血液やリンパ球が悪性化するものを肉腫と言います。

甲状腺に限らず人体の中のどの臓器にも言える事ですが、「がん」と「肉腫」のどちらも発生する可能性があるという事を蛇足ながら付け加えましょう。

甲状腺の悪性腫瘍~甲状腺がんと悪性リンパ腫~

甲状腺の悪性腫瘍についてもう少し詳しくみてゆきましょう。

甲状腺の悪性の腫瘍を大きく分けると甲状腺がんと悪性リンパ腫に分けられると前にお話しました。

悪性リンパ腫とは、リンパ球が悪性化してリンパ節をはじめとするリンパ組織内で増殖するものです。簡単に言えば「リンパ球のがん」という事になります。

リンパ節や咽頭リンパ組織など悪性リンパ腫はさまざまなところから発生しますが、患者さんが橋本病(慢性甲状腺炎とも呼ばれます)にかかっている場合には甲状腺に悪性リンパ腫が出来る事が知られています。

早期に発見し、適切に治療が行われれば予後は割と良いとの事ですので、疑わしい場合には医療機関を受診しましょう。

もう一つの甲状腺の悪性腫瘍である甲状腺がんについては、そのタイプによって4種類に分けられます。

甲状腺がんのうち、最も多いのが乳頭がんです。

甲状腺がんの患者さんのうちの実に80~90%がこの乳頭がんだと言われています。

乳頭がんは初期のうちはのどにしこりを感じる以外には特に自覚症状はありません。しかもがんが大きくなるのがゆっくりで、何年もしこり以外の症状が出ない状態が続きます。

しかし、ある時を境にがんが急速に大きくなり、乳頭がんが牙をむきます。

乳頭がんはその成長スピードは遅いのですが、甲状腺付近のリンパ節への転移が見られると言われています。

乳頭がんの多くは手術で治るとの事ですが、あなどる事の出来ないがんです。

甲状腺がんのうち、乳頭がんの次に多いのが次にご紹介する濾胞(ろほう)がんです。甲状腺がんの患者さんのうち、およそ10~15%は濾胞がんだと言われています。

濾胞がんは超音波の検査などをしても良性の腫瘍なのか甲状腺がんの一種である濾胞がんなのかの判断がつきにくく、また自覚症状もしこりを感じるだけなので、良性の腫瘍との区別が難しいところがやっかいです。

前にご紹介した乳頭がんに比べると周囲のリンパ節への転移は少ないと言われていますが、肺などの甲状腺から遠く離れた臓器への転移が見られる傾向があると言いますから恐ろしいです。

そして、髄様(ずいよう)がんは甲状腺がんのおよそ1~2%という珍しい甲状腺がんです。

髄様がんとはカルシトニンという血液中のカルシウムの濃度を調整するホルモンを作る甲状腺の細胞の一種であるC細胞が悪性化するもので、髄様がんのおよそ20%が遺伝が原因で起こる事がわかって来ました。

甲状腺がんのうち、最も恐ろしいのが未分化がんです。

発生件数は甲状腺がんのおよそ1%ですが、人体に発生する全ての悪性腫瘍のうち最も予後が良くないがんで、どのような治療法で治療しようとも1年以上生存する事はまれだと言われています。

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