甲状腺がん 治療

甲状腺がんの治療法は甲状腺がんの種類によって違う

甲状腺の腫瘍の大半は良性のものです。

しかし、甲状腺の腫瘍には良性のしこりがあれば悪性のしこりもあります。

(「甲状腺腫瘍=甲状腺がん」と思われがちですが、そうではありません。甲状腺の悪性の腫瘍が甲状腺がん(と悪性リンパ腫)であって、「甲状腺腫瘍=甲状腺がん」というわけではありません)

甲状腺の腫瘍が良性の場合は治療しなくても特に問題はない場合もあります。人によっては一生そのしこりと付き合って生きる方もいらっしゃると言います。

(ただし、甲状腺の腫瘍が良性であっても、ある程度の大きさがある場合やその腫瘍が次第に大きくなって行くものである場合には治療の対象になります)

しかし、安心するのはまだ早いです。

甲状腺の腫瘍のやっかいなところは、その腫瘍が良性だと診断されたとしても、それが絶対に悪性のものではないと判断するのが難しいところです。そのため、甲状腺腫が良性のものだったとしても半年に一度は必ず検査を受ける必要があります。

そして、その甲状腺腫が悪性のものである疑いがある場合にはやはり治療が必要になり、手術を受ける事になります。また、そのしこりが悪性の甲状腺がんだったと診断された場合も手術療法を受ける事になります。

先ほど少し触れましたが、甲状腺がんの治療法は手術療法が主流になります。もちろん、それ以外の治療法もあります。

甲状腺がんの手術療法以外の治療法については、甲状腺がんの種類に応じてその治療法をご紹介してゆく事にしましょう。

乳頭がんと濾胞がんについてはアイソトープ療法という治療法で治療する場合があります。

乳頭がんと濾胞がんはともに甲状腺ホルモンを作る細胞が悪性化したものです。甲状腺の役目にヨードを甲状腺に集め、それを材料にして甲状腺ホルモンを作るというものがありますが、これらのがん細胞もヨードを取り込むという性質が残っている事があります。それを利用したのがこのアイソトープ療法なのです。

アイソトープとは放射性ヨードの事です。「がん治療用のヨード」と言い換えてもいいでしょう。

つまり、甲状腺に発生したがん細胞に「がん治療用のヨード」を取り込ませてがん細胞を死滅させるという方法で治療をするのが「アイソトープ療法」なのです。

アイソトープ療法はがん細胞がアイソトープを取り込まなければなりたたない治療法ですので、がん細胞がアイソトープを取り込みやすい環境を作る必要があります。ですから、患者さんはアイソトープ療法を受ける前には本物のヨードを摂取しないようにして、がん細胞がアイソトープを取り込みやすい身体の状態を作ります。

そのため、アイソトープ療法を受ける前にはヨードが体内から少なくなる事によって起こる甲状腺機能低下症という症状が出ますので、それがアイソトープ療法のデメリットと言えます。

アイソトープ療法以外の乳頭がん・濾胞がんの治療法としては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑制する事によってがん細胞の増殖を防ぐTSH抑制療法がありますが、このアイソトープ療法もTSH抑制療法もその効果が期待出来るのは乳頭がんと濾胞がんに限られます。

髄様がんについては遺伝性のものに関しては甲状腺の全摘出を行いますが、そうでない場合には欧米では甲状腺の全摘出を行いますが、日本では腺葉切除やリンパ節郭清にとどめ、甲状腺を温存するのが主流です。

しかし、髄様がんが肝臓などに遠隔転移を起こしている場合には残念ながら確実な治療法はまだ確立されていない状態です。

そして、最も悪性度の高い甲状腺未分化がんに関しては、標準と言える治療法は残念ながらまだ確立されていません。

手術療法や放射線治療、そして抗がん剤による治療などをする場合もありますが、甲状腺未分化がんが遠隔転移を起こした場合には患者さんの年齢などを考慮してがんによる苦痛を緩和する治療法に留める場合もあると言います。

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