甲状腺がん 転移

甲状腺がんの転移

甲状腺がんは早期に発見して早期に治療を開始すればがんとしては生存率の高い、甲状腺未分化がんを除けば比較的悪性度の低いがんです。

しかし、そのような甲状腺がんも転移する事もあります。

たとえば、先ほど少し触れた甲状腺未分化がん。これはヒトがかかるがんの中でも最も悪性度が高いと言われるほど悪性度の高いがんで、甲状腺未分化がんが発見された時には他の臓器にがんが転移している事も多いと言います。それほど増殖スピードの速い、そして、悪性度の高いがんなのです。

そして、甲状腺がんの多くは悪性度の低い乳頭がんです。

普通のがんであればリンパ節にがんが転移していると「進行がん」として悪性度の高いがんだと判断されますが、例外的に乳頭がんについてはリンパ節転移が小さいものであれば患者さんの生存率に変化はないと言われています。

しかし、その乳頭がんもごくわずかながら高危険度乳頭がんと言う悪性度の高いがんもあり、それが骨転移を起こしたり周囲の臓器に浸透したりする場合もあると言います。

(それでも高危険度乳頭がんの10年生存率は69%と言いますので、高危険度乳頭がんの患者さんの半数以上が10年以上生存しているという事になります。ですから悲観的にならないで治療を続けましょう)

一方、濾胞(ろほう)がんのように遠隔転移を起こすか否かで生存率が分かれる甲状腺がんもあります。

濾胞がんはリンパ節に転移したり他の臓器に浸透する事は稀です。そして、濾胞がんの場合は遠隔転移がなければ手術療法でほとんどの患者さんが治ると言います。

しかし、濾胞がんのやっかいなところは骨に転移する事が多いのと良性の腫瘍との区別がつきにくいところで、良性の腫瘍だと思ってそれを摘出してみたら実は濾胞がんだったという事もあるとの事です。

さらに骨に遠隔転移を起こした場合には、残念ながら完全に治す事は難しく、がんの進行が遅い事が救いと言えば救いと言えるかもしれませんが、それでも一生がんと付き合って行かなければならないので、それはつらい事です。

その他、髄様がんのように遠隔転移を起こした場合の治療法が確立されていない甲状腺がんもあります。そして、冒頭で「ヒトがかかるがんの中でも最も悪性度が高い」と言われる甲状腺未分化がんにいたっては、患者さんの状態によってはがんそのものの治療ではなくて痛みを和らげる治療をするしか打つ手がありません。

ですから「甲状腺がんは生存率が高いから大丈夫」という意識にあぐらをかいて治療をしないで放置しているのはかなり危険な事だと言えます。

甲状腺がんの転移先として多いのが、肝臓や肺などです。

遠隔転移先としては、濾胞がんのところでお話したとおり骨に転移する事もあると言いますから恐ろしいです。

これはどの臓器のがんにも言える事ですが、他の臓器にまでがんが転移していると、患者さんの生存率は低くなります。

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