甲状腺がん 再発

甲状腺がんの再発防止に甲状腺を全摘出した方が良いか温存した方が良いか

甲状腺の腫瘍のほとんどは良性の腫瘍です。そして、悪性の腫瘍である甲状腺がんであっても甲状腺未分化がんを除けば概ね生存率は高いです。普通がんの生存率は1年や5年という短い期間で計算される事が多いのですが、甲状腺がんの生存率については10年という長い期間で割り出される事から見ても、その生存率の高さをうかがい知る事が出来ます。

しかし、そのような甲状腺がんでも再発する事はあります。残念ながら生存率が高いからがんの再発率が低いというわけではないのです。ちなみに甲状腺がんの再発率は10年でおよそ60%、40年でおよそ35%だとの事です。

がんの再発とは恐ろしいものです。がんの種類によってはがんの再発を防ぐ目的でがんの腫瘍そのものだけではなく、その周辺まで手術で摘出する事もあると言います。しかし、甲状腺がんの中でも悪性度の低い低危険度乳頭がんの場合はその例外になります。

甲状腺がんの一種・低危険度乳頭がんが再発しても、日本の癌研病院では低危険度甲状腺がんが気管や声帯、食道などの重要な臓器に転移する事によってそれらの重要な臓器に悪影響を及ぼしかねない場合やリンパ節に転移したがんが1cmを超える場合を除いては低危険度乳頭がんが転移しても治療を開始しないでしばらくは様子を見るとの事です。

何故ならば低危険度乳頭がんがリンパ節に転移しても、普通ならばがんが増殖して腫瘍が大きくなるのですが、低危険度乳頭がんがリンパ節に転移してもそうはならずにそのままの大きさでいる場合が多いからだとの事です。

しかし、アメリカの標準的な治療法では、乳頭がんの危険度や広がり方などにかかわらず、乳頭がんの場合には甲状腺を全部摘出し、放射性ヨードによってがんの転移の有無の診断とがんの治療を行うと言います。

もちろん、甲状腺を摘出したあとには甲状腺ホルモンを作り出す事が出来なくなりますので、その患者さんは生涯にわたって甲状腺ホルモン剤を飲み続けなければなりません。

何故このような治療法を行うのかと言えば、それは甲状腺がんの再発防止のためだと言います。

しかし、アメリカの治療法が最適な患者さんは少数で、多くの患者さんにとってはその治療法はやり過ぎているとも言えるでしょう。そのあたりは日本とアメリカとの甲状腺がん治療という点において考え方が違うのです。

日本とアメリカのどちらの治療法が正しいのか、データとして証明出来ないので現時点では判断がつきかねます。

しかし、甲状腺がんをどのようにして治療してゆくのか、具体的には甲状腺を温存する方法を選ぶのか、また甲状腺を全部摘出してがんの再発を防ぐ方法を選ぶのかを決めるのは患者さん自身だという事を忘れてはいけません。

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