肝臓 症状

『沈黙の臓器』肝臓はかなり悪くならないと症状が出ない

肝臓はよほど悪くならない限り、それが症状として表に現われる事はありません。そのため肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。

何故肝臓はよほど悪くならない限り症状が出ないのでしょうか? 

その理由を知るためには肝臓とはどのような臓器なのか、また、どのような働きをしているのかを知る必要があります。

肝臓は日本人の成人男性では1,000gから1,500g、成人女性では900gから1,300gもある、人体の中で最も大きな臓器です。

その大きな肝臓は再生力も強く、健康な肝臓であればその4分の三を切除しても一カ月程経てば元の大きさに戻る事が出来ます。

さらに肝臓は予備能力も大きいため、たとえ肝臓の細胞の三分の二がなくなったとしても、残りの三分の一の肝臓の細胞で充分に肝臓の機能を果たす事が出来ます。

ですから、肝臓の一部が病変によってその機能が低下したとしても肝臓は何事もなかったかのように働き続けます。上記のように予備力も再生力も強いためによほど肝臓が悪くならない限りその機能が低下する事がないのです。

そして、肝臓がかなり悪くなってその機能がかなり落ちない限り、症状として表に現われる事がありません。逆に言えば肝臓の機能が落ちた結果症状として表に現われた時にはかなり肝臓の病気が進んでしまっているという事なのです。

これが少しでも悪くなれば自覚症状が出て来るものであれば「肝臓が悪くなった」とわかりやすいのですが、肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるほど再生力も予備力も強い事が裏目に出ているために自覚症状が出て来ないのです。つまり、肝臓が悪くなっている事を早期に発見したいのであれば健康診断などを受けるしかないと言っても過言ではありません。

肝臓の働きとして良く知られるのがお酒に入っているアルコールを分解する能力でしょう。

これは「解毒」と言って人体に有害な物質を無毒化する、肝臓の能力の一つなのです。

肝臓の解毒の中にはコレステロールや古くなった赤血球の色素を分解して胆汁酸を作り出す働きも含まれます。

この胆汁酸は十二指腸に送られ、その一部は十二指腸の先の腸まで行きます。そして腸に行った胆汁酸の一部は吸収され、再び肝臓へと送られるのです。これを「腸肝循環(ちょうかんじゅんかん)」と言い、腸肝循環は腸の消化吸収を助ける働きをしているのです。

解毒以外にも肝臓には大切な役目があります。それは代謝と栄養の貯蔵です。

私たちが食事によって摂取した栄養は胃腸で吸収され、人体に必要な物質へと変えて行きます。また、肝臓は代謝によって作り変えられた栄養素の一部をためておいて、必要になった時に放出する「栄養素の貯蔵庫」の役目も果たします。

その肝臓の機能が低下すると、どれだけ食事によって栄養が入って来ても、それを代謝する事が出来なくなってしまいます。つまり、低栄養状態になってしまうのです。

そして、肝臓で処理出来なくなった栄養が肝臓の中にどんどんたまってゆくと、肝臓は栄養でいっぱいになり、脂肪肝になります。

それだけではありません。その余った栄養が血液中に流れ出して糖尿病や高脂血症になり、それが動脈硬化の原因になる事もあるのです。

それ以外にも肝臓の機能が低下すると、人体に有害な物質を解毒する事が出来なくなってしまいます。すると体内に有害な物質がたまっていって、それが脳に入ると脳炎を起こしてしまいます。

まさしく肝臓は「沈黙の臓器」であり、その機能が低下した事が症状として現われた時にはかなり肝臓の機能低下が進んでしまっているという事なのですから、私たちは健康診断などで肝臓の状態をチェックする必要があるのです。

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