原発性肝臓がん

「原発性肝臓がんとは

強い再生力と予備力の大きさを持ち、黙々と人体にとって有害な物質の無毒化や食事から摂取された栄養を代謝によって人体に必要な物質に変え、余った脂質などを貯蔵する役目を果たしている肝臓ですが、肝臓も完璧ではありません。

肝臓に備わっている再生力・予備力を超えるほど肝臓が悪くなった時にはそれまで沈黙していた肝臓も悲鳴を上げます。肝臓病とは言わば「肝臓が悲鳴を上げている状態」なのです。

一言で「肝臓病」と言っても、その内容は様々です。

肝臓の働きと言えばお酒を飲んだ時に人体にとって有害なアルコールを無毒化する働きが知られていますが、長年お酒を飲み続けると肝臓がアルコールを無毒化するために分解した物質によってアルコール性肝炎になります。

そしてさらに飲酒を続けていると、肝臓内では肝細胞が炎症と再生を繰り返す事になります。すると肝細胞に再生結節(さいせいけっせつ)とよばれる塊が出来、線維が増えて行って次第に肝臓が固くなってゆきます。これが肝硬変と呼ばれる状態です。

そして、肝硬変になると肝臓がんになりやすくなるのです。

その肝臓がんですが、大きく分けると原発性肝臓がんと転移性肝臓がんに分ける事が出来ます。

先ほどご紹介したアルコール性肝炎から肝硬変、そして肝硬変から肝臓がんへという経路をたどる例のように、肝臓にがん細胞が出来た事によって肝臓がんになったものを「原発性肝臓がん」、他の臓器からがん細胞が転移して来た結果肝臓がんになったものを「転移性肝臓がん」と言います。

肝臓はその機能上、どうしても血液を通じての物質の出入りが多くなる臓器ですので、元々がんが発生していた臓器から血液に乗って肝臓にがん細胞が運ばれてしまう事も多いのでこのように区別されます。

肝臓由来のがんである原発性肝臓がんにも種類があります。がん細胞が肝臓のどこに出来たかで種類が分かれているのです。

原発性肝臓がんの中でも、肝臓の細胞である肝細胞ががんになったものを「肝細胞がん」、肝臓で作られた胆汁を十二指腸まで運ぶパイプの役目を果たしている胆管(たんかん)と呼ばれる管の細胞に発生したがんを「胆管細胞がん」と言います。

その他の原発性肝臓がんとしては、成人では肝細胞・胆管細胞混合がんや胆管の上皮の中でも肝臓内に出来たがんである胆管嚢胞腺(たんかんのうほうせん)がん、がんには違いありませんがどのタイプに属するがんなのか分類の出来ない未分化がん、通常は常に神経内分泌細胞が存在している粘膜の内側に出来るもので、肝臓に発生する事は稀なカルチノイド腫瘍などがあり、小児の肝臓がんとして肝細胞芽腫(かんさいぼうがしゅ)があります。

しかし、肝細胞がんが原発性肝臓がんの90%を占めるため、通常、「肝臓がん」と言えば「肝細胞がん」を差します。

肝細胞がんの原因の多くは肝臓の細胞が肝炎ウイルスに感染して肝臓に炎症を起こす、いわゆる「ウイルス性肝炎」によるものです。

肝炎ウイルスにはA型肝炎ウイルスやD型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスやG型肝炎ウイルスなどの種類があり、また肝炎ウイルス以外にもEBウイルスや単純ヘルペスウイルスなどの感染によって肝炎を起こす事もありますが、ウイルス性肝炎のほとんどがB型・C型肝炎ウイルスによるものです。

C型肝炎ウイルスの感染経路は輸血などの血液感染ですが、B型肝炎ウイルスの感染経路は血液感染以外にも母子感染などがあります。

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